さて、「艷やかで、しっとりと濡れた、濃ゆい、午後の紅茶ロイヤルミルクティーのような音」と評判のスピーカー、QUAD 11Lをオクで入手してから約1年。ついにピュアなプリメインアンプを導入しましたよ。
痛恨のマイオーディオ(ビフォー) |
わが家のオーディオをおさらいしておきますと、
iMacのiTunes →(AirPlay経由)→ AppleTV →(HDMI経由)→ TV →(イヤホンジャック経由)→ Carot OneのデジタルアンプGILDOLO →(ベルデン8460バイワイヤリング)→ QUAD 11L。
AppleTVにHDMIと光デジタル出力しかなく、GILDOLOにRCA入力しかないもんだから、苦肉の策でTVのイヤホンジャックを経由していますが、こんなの全然ピュアピュアじゃない。痛恨。
本当はCreekとかAudio Analogue、Aura、Musical Fidelityといったヨーロッパ物のプリメインアンプが欲しい。さりとて買ってもイヤホンジャック経由。残念。
「DACは?DACを買えばいいじゃない」
そんなリトルベンの声が聞こえます。だが、バジェットがない。
どうにかしたい。でも、どうすればいいのか。この1年間ずっとモヤモヤとしておりました。
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そんなわけですから、新たなプリメインアンプの条件は、まず第一に光デジタル入力があること。そしてテレビ台の都合上、薄型であること。
薄型アンプの定番といえばオンキョーA-7VLですね。でも、せっかくアンプを新調するのですから、またデジタルアンプというのも面白くありません。どうせなら薄味と言われるデジタルアンプじゃなくて、もっと個性の強いアンプがいいな。
ということで、いろいろ悩んだ結果、マランツのPM6005の登場なのです。
新アンプ、テレビ台にギリギリ収まるの図(アフター) |
入門機でありながらヨーロッパ製アンプによくあるトロイダルトランスを採用。ヨーロッパでの評価も高く、What Hi-Fi?では最高評価の★5。そしてフルディスクリート構成。
デジタルアンプからの乗り換えにはピッタリです。
早速、光デジタルで繋いで音出ししてみた第一印象は「優しい音」。
これまで高音域の輪郭が際立った音で鳴っていたビル・フリーゼルの曲が、マイルドで落ち着いた音に。中低音域も豊か。マランツは高音がキツめと聞いていたので意外でした。
音場も奥行き方向に伸びました。してみると、これまでは音場が平面的だったんだなーと。いわゆる「スピーカーが消える」感覚もある。
「QUAD 11Lと相性が良いアンプ」とか、そんな情報をネットで漁ってはいましたが、正直言ってプリメインアンプの違いでこれほどまで音が変わるとは思っていませんでした。家人も気付いたほど。ちょっとビックリ。
そうね、例えるならば、
階段を降りた地下の扉を開けると
レンガ壁にランプ灯りの、薄暗くて温かみのある雰囲気の喫茶店
そんな音。「ウェットで艷のある、柔らかで上品、かつ濃厚な音」って、この音のことだったのかと。
GILDOLOとの組み合わせではデジタルアンプの性格が強く出て、QUAD 11Lの本領を発揮してなかったのかもしれませぬ。
さらに振り返れば、KlipschのRB-51IIをGILDOLOで鳴らしていた頃は、すごくクリアで迫力もあったけどクラシックやアメリカーナを聴くには味気のない音だったんだな、と今なら思う。
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というわけでPM6005、限られたバジェットの中では最良の選択だったのではなかろうか。
しばらくはもうコレで十分だな。次はー、なんだ。SACDプレーヤーかな。
追記
ラウドネスをONにしたら、響きが豊かになって空気感がグッと増した。とてもいい感じ。
「まったく安い耳だな」と苦笑しつつ、低音って大切なんだなと実感したのでした。おしまい。
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